黄銅製の持ち手付き手焙り(てあぶり)です。元々灰が入っていましたが、取り出し手焙りは水洗いを。灰はビニール袋に入れ付属します。
なお、灰に混ざっていた消し炭などは出来る限り取り除きましたが、取り残しはご容赦下さい。
灰はビニール袋含め約765㌘です。
手焙りの蓋には波兎(なみうさぎ)でしょうか、雌雄?の兎が波と戯れる文様、開口縁の雷紋や渦紋?などの連続文様、などの装飾が金工技法で施されています。
持ち手には、金糸や色糸で図柄が織込まれた西陣織と思われる布が断熱の用で巻かれ、傾きは自在に変えられます。
波兎は、波の上を跳ねる兎の姿を意匠化した日本の伝統的な文様で、特に飛躍や繁栄を象徴する縁起物として親しまれて来ました。
出品の装飾は、波の上を跳ねる躍動感までは表現されていないようです。
波兎文様から日本のものだと思います。時代は不明ですが当時使われていたもので、特に蓋裏の汚れや身の内側全体の緑青が目立ちます。外側の一部にも緑青が。キズも見られますが目立つものではなく、凹みなどの変形はほぼありません。
また、持ち手巻きは若干のほつれが見られる程度で、ゆるみはありません。
汚れや緑青は否めませんが、傷みはほとんどなく状態は比較的良好と言えます。アンティーク感も十分です。
大きさ(㌢)重さはおよそ次の通りです。
高さ21.5(持ち手)16(蓋)11(口縁)/
口径14.2、胴径21.2、底径12.8/
重量2665㌘/
日常生活で手焙りや火鉢を使うことがほとんどなくなった昨今ですが、アンティークな装飾工芸品として置物に、季節によっては茶席で手炉(しゅろ)としてお使いいただけるのではないでしょうか。活用していただけると幸いです。
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