陶器製蒸し物碗3客、共箱入りです。
共箱は、写真のように汚れ変色、傷みがあり、十分な骨董です。
なお、共箱には5客が、内2客は、胴の割れに、金継とは異なる手直し跡があり、その方法や質などが不明のため出品していません。
共箱蓋には、箱書き①「伊?保梅荘」、②「蒸物盌」、③「洛東粟田」、④「東山?一」、朱文銘印「東山」が。
①:?は「孫」にも読めますが、?以外も正しく判読できているか疑問も。
5文字の意味する何かをモチーフに作陶されたのでは。器の絵柄は白梅だと思われ、「梅荘(ばいそう)」と読みましたが果たして。3文字「伊?保」は地名なのかは分かりません。
②:茶碗蒸しなどに使われる蓋付きの器のこと。碗の代わりに盌が使われた理由は?
現在、普通に茶碗を使いますが、茶道では茶盌は抹茶盌のことで、蓋が無いため(蓋を表す)うかんむり「宀」の碗は使わないようです。
出品は蓋付きですが盌が。当時は盌が普通だったのかも。
③:洛は京都を意味し、東に位置する地域名が粟田で、「粟田焼」発祥の地でも。今では大きな括りの総称「京焼」の一つ。
④:作者である陶工の銘では。?ーが判読できませんが、「東山(とうざん)」は京焼の名工「宮永東山」では。初代(明治元年〜昭和16年)の筆跡や銘印、陶印に、出品のものが似ているように思います。?ーは宮永か。
共箱の汚れや傷みがありますが、蓋物盌は身も蓋も汚れや欠け、ヒビなどの損傷はほぼなく、状態は良好です。
身の縁は四角の角が少し取られ肩辺りまでは八角で、その下は円筒状に造形されています。蓋は身に合わせて八角。
身と蓋に残された糸目が装飾的で、黄土色には土物の風合いが残り黒とブルーグレーの木が特徴的です。
大きさ(㌢)重さ(㌘)容量はおよそ次の通りです。大きさ、容量はほぼ等しく1客の数値。
【蒸物盌身】
縁一辺8、角対角2、
高さ7.6 蓋有8.9、
高台0.6、底径4.7/
容量300cc(口近く)/
【蒸物盌蓋】
縁一辺9.2、角対角2.5、
摘高さ0.7、摘直径4.6/
【重さ蓋有】
重さ250、253、264/
【共箱】
縦25、横12.5、高24.5/
重620/
骨董の蒸物盌ですが、汚れや損傷のほぼない良好な状態です。色合いも形も今風ではない昔の味わいがあり、茶碗蒸しなどにお使いいただければ幸いです。電子レンジは?蒸し器がいいと思います。
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