吉田多加志さんの作品です
どっしりとした大きなこけしです。
梅の花の着物を着て、袖口はハート形になっています。
梅の花は縁起物です。
梅の花模様が丁寧に作られており、日本の伝統工芸の職人技ですね。
作者の吉田多加志(よしだたかし)さんについて
昭和23年6月群馬県桐生市に生れる。
県立桐生工業高校紡織科在学中、デザイン、色彩等を学ぶ。
卒業後、会社勤めの後、53年に30歳で小林伊之介に師事し
創作こけしの制作を始める。57年全国近代こけし展にて
「きさらぎ」で文部大臣奨励賞を受賞。以降、全群馬近代こけし
コンクールでは、最高賞の内閣総理大臣賞に輝く事4回。
日本こけし工芸会同人
吉田多加志のこけし作り
吉田多加志の作品は、店頭で手に入る一般物と、創作物
に分けられるが、主力は欅を使った一品物の創作木人形である。
樹齢何百年もの太い欅を大体4等分し、一個一個手彫りしていく。
「いい加減な気持ちじゃ彫れないよ。年輪10センチ分が人間の
一生分に相当するんだから。」と、自然への優しさと自分への
厳しさが多加志の言葉から伺える。
欅はチェーンソーで切り、ロクロを使わず、ノミと木槌で形を作り、
彫刻刀で仕上げていく。
「木がそういう形になりたがっているんだと思う。」
多加志がこけしを彫る時、まずテーマを決めイメージを固めて
から彫り始める。しかし、彫っていくうちに節などにぶつかり、
それを避けるために形を変えざるを得なくなることがある。
すると、結果的にそのほうがよいものになるというのだ。
「私が間違った方向に彫り進んでいると、そっちじゃないよ、
こっちを彫ってくれと木が言っているようだ。こけしを彫るのに
大切なのは、木との対話なんだ。」
吉田多加志の創作こけしは、前衛的で、伝統とは少々
かけ離れているのかもしれない。しかし、その精神は自然と
共存していた時代のものと何ら変わることはない。
「木を削ったり、こけしを造ったりするのは木の浪費じゃないか。
緑を損なう事じゃないか。と言う人がいます。私は木に仕事を
させてもらっていますから、木や自然の味方です。木の年輪に
負けないような作品を作っていきたい。」
以上、転載です。
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