江戸初期から前期、福岡の黒田藩筑前にてに操業していた高取の白旗山窯(1630~1665頃)にて作られたと思われる茶碗です。
この茶碗の本歌は朝鮮の高麗茶碗で、高台周りを大胆な削りが目を引く特徴の椎茸高台と云われる高台と、腰の縮緬皺が約束でこの茶碗は釉調が違うので純粋な写しではないと思いますが明らかにそれを意識して作られた作品と言えます。
鉄分強めな土に見込みは高麗茶碗に見ゆる特徴の小さい目跡が沢山あり、従事した朝鮮陶工による作陶の流れによるものでしょう。釉薬は高取の特徴であるビターなチョコレートを思わせる色調の道化釉で茶映えは抜群です。江戸時代の箱は高取焼と縁の深い小堀遠州ゆかりの遠州好みの箱で特徴的な構造の底を持つ遠州箱となっています。茶碗を入れた際の箱の寸法は違和感ございません。
古高取で高麗茶碗を意識した茶碗は非常に少ないので珍しいです。数寄者、茶人の方にぜひ使って頂きたい品です。無傷。口径約15.3㎝~14.9㎝。高さ約7.6㎝。
都合により出品期間はあまり長くは考えておりませんので気になりましたらよろしくお願いします。
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