実家の祖父は曾祖父から引き継いだ果樹園を経営していました。生産品目はリンゴ、和梨、洋梨でした。これは積雪期に枝の剪定作業に使ったものと思います。カンジキを履いて、牽引の帯を肩から脇下に斜に掛けて歩いて引くととても軽く滑って進んだことを思い出します。正月が明けて山に雪が本格的に積もると私達の楽しみは果樹園の斜面の滑降でした。リンゴの枝に頭をぶつけないようにひたすら姿勢を低くして尻もちをつかずに滑り終えることを競いました。小正月を過ぎて積雪が本格化すると剪定作業で雪面に枝が散乱し、スキーはできなくなりました。
素材はとても硬質な木材です。状態で気になるところは、ソリの片方の荷台を載せる部分に割れ(画像の11、12枚目)が見られます。また上端に斜め欠けがありますが、これは表皮がはがれたものでです。ほこりを洗車ブラシでゴシゴシ押していたらはがれてしまいました。このほか、片方のソリの先端に腐食が見られます。(画像5、8枚目)
寸法はソリの滑走面の長さ155cm、ソリの先端から後端までの直線距離が150cm、滑走面の幅は8cmです。滑走面から荷台の切り込みが入って少し低くなっているところまで12cm、その前後の少し高い部分までは13cmです。
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