古代中国もしくは朝鮮の石製道教像です。道教は老人を祖とする中国固有の宗教です。もともと、道教では崇拝する偶像はありませんでしたが、北魏時代(4〜6世紀)頃から外来宗教(仏教)の影響を受けて道教像が造られるようになりました。初期の道教像は仏像との区別が専門家でも困難ですが、西魏時代(6世紀中頃)から冠(かんむり)や凭几(ひょうき、払子)を有する定型化された道教像が造られ始めています。本品は、頭上に仏像の三面冠とはっきり区別できる形状の冠を被り、手には明らかに凭几を持っていることが表現されています。お顔の表情も仏像とは異なり、アニミズム的要素を有しています。また、着衣にも道教を象徴する渦巻紋が明らかに施されています。一見すると仏像のように見えることから、初期道教像の逸品であることが明らかです。西魏や東魏の仏像は時々見かけますが、同時期の道教像は極めて稀少なものであり博物館級といっても良いものとなります。因みに、東京美術倶楽部の交換会に出品されたものです。お好きな方、如何でしょうか?
- 素材: 石
- デザイン: 仏像
- 高さ: 手に持てるサイズ
- 特徴: 細部まで彫刻された造形
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